大阪城南 真田丸 大應寺浄苑

香典の正しいお金の入れ方 | マナーや書き方を詳しく解説

香典は、故人の霊前に供える金銭や品物のことを指します。

現在では、お別れの場を設けてくださった

ご遺族への感謝と弔意を伝えるものとして、金銭を包むことが一般的です。

香典を渡すときは、香典袋にお金を包んで葬儀などに持参します。

ただし、香典袋にお金を入れる際には、さまざまなルールがあることに注意が必要です。

そこで今回は、香典の正しいお金の入れ方について紹介します。

香典のマナーや必要事項の書き方についても

詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

香典袋にお金を入れる前に知っておきたいマナー

香典袋にお金を入れる前に、お金に関するマナーを確認しておきましょう。

香典に入れるお金には、以下のようなマナーがあります。

  • 新札を避けて古札を用意する
  • ボロボロすぎる個札は避ける
  • お札の枚数は奇数にする
  • お札の種類を統一する

マナーを理解せずにお金を入れてしまうと、

遺族の方に対して失礼にあたることもあります。

まずは香典袋にお金をしまうまえに、お金に関するマナーを紹介します。

新札を避けて古札を用意する

香典に入れるお金は新札を使わず、古札を使うことがマナーです。

弔事で新札を使うことは、「不幸を予期して用意しておいた」と

解釈でき、遺族に対して失礼にあたります。

一方で古札を使えば、

「亡くなることは予期しておらず、急場でお札を用意した」

という意味合いになります。

慶事では新札を用意することがマナーですが、

弔事では逆になっていることに注意しましょう。

香典に入れるお金は、ある程度の使用感にあるお札を用意します。

基本的には、お財布のなかに入っているようなお札であれば問題ありません。

新札しか手元にないときの対応

タイミングによっては、手元におろしたての

新札しかないというケースもあるかもしれません。

お通夜や葬儀までに時間がなく、古札を

用意できない場合は、以下のような方法で対応しましょう。

  • 新札に折り目をつける
  • ATMでお札を下ろす

慶事で使う新札に比べると、

古札は用意する手間がかかりません。

ATMはコンビニでも利用できるので、

時間がないときは利用してみましょう。

ボロボロすぎる個札は避ける

香典には古札を入れることがマナーですが、

あまりにもボロボロすぎるお札を入れることも避けましょう。

破けていたり、汚れが目立つものは、

受け取った側としても気分が良いものではありません。

また、あまりに破損がひどいお札の場合、

紙幣として利用できない可能性もあります。

ご遺族の方に余計な手間をかけてしまう可能性もあるため、

適度な使用感の古札を用意しておきましょう。

お札の枚数は奇数にする

香典に入れるお札の枚数は、奇数にすることがマナーです。

偶数は2で割り切れる数字のため、

「故人の死を割り切る」「故人との縁が切れる」

といった意味が連想されます。

また、同じく意味合いを持つ数字として

「4」と「9」も避けた方が良い数字とされています。

4と9は、古来より「死」や「苦」を連想させる不吉な数字です。

香典にお金を入れるときは、枚数にも注意をしましょう。

香典に入れる金額の目安

香典に入れる金額は、故人との関係や年齢、立場などで変わります。

また、地域によっても香典に入れる金額が変わることがあります。

具体的に決まった金額はありませんが、一般的には以下のような金額が相場です。

関係・続柄金額
自分の両親3万円~10万円
自分の兄弟3万円~5万円
自分の祖父母1万円~5万円
自分のおじ・おば1万円~3万円
その他の親戚(配偶者の親族など)5,000円~1万円
職場関係者5,000円
友人5,000円

基本的には、故人との血縁関係が強くなるほど高額になります。

そのほかにも、故人との関係性が深い場合は、

目安よりも多めに香典を包むこともあるでしょう。

お札の種類を統一する

香典にお金を入れるときは、お札の種類を統一して入れます。

例えば、香典として3万円を包む場合は、1万円札を3枚用意します。

基本的には、香典に入れる金額の目安を

守っていれば、お札の種類は1種類で揃えられるはずです。

香典へのお金の入れ方は?内袋と外袋の包み方

香典袋には、包み方のマナーがあります。

中袋にお札を入れる向きや、外袋のたたみ方などの

細かいルールが決まっているため、

しっかりと事前に確認しておくことが重要です。

ここでは、内袋へのお金の入れ方や閉じ方、外袋の包み方を紹介します。

中袋へのお金の入れ方

市販の香典袋には、中袋が付属していることが一般的です。

この中袋にお金を入れて、さらに外袋で包んでから香典を渡します。

中袋にお金を入れる際は、中袋の表面に対して、

人物が描かれていない面を向けて入れるのがマナーです。

また、お札の人物が描かれている面が、袋の下側になるように入れましょう。

人物が描かれている面を裏向きで入れることで、故人への弔意を示すことになります。

また、中袋を開いたときに、お札の金額が一目で

わかるようになるため、遺族が確認しやすいように配慮する意味合いも持ちます。

香典の中袋は封をする?しない?

一般的に香典の中袋は封を閉じないことがマナーです。

お金が飛び出さないようにノリなどで封をしたくなりますが、

外袋で二重に包むため、心配ありません。

中袋に封をしない理由としては、遺族が香典を開く際に

手間をかけさせない配慮の意味合いがあります。

市販の香典袋には、封印ようのシールがついていることも

ありますが、基本的にはシールの貼り付けも不要です。

香典の外袋の包み方

香典の外袋は、左開きになるようにたたんで、

裏側の折り込み口を上から下にかぶせます。

手順としては以下の通りです。

  1. お金の入った中袋を中央に置く
  2. 香典袋の右側を閉じる
  3. 香典袋の左側を閉じる
  4. 上、下の順番で閉じる
  5. 最後に水引をかける

弔意を示す香典は、左開きになることがポイントです。

慶事の場合は右開きになりますので、間違えないように注意しましょう。

また、市販品の香典袋は、販売されていたときの状態に戻すことで外袋を包めます。

包み方がわからないときは、市販品を参考にするのもおすすめです。

香典袋の書き方

香典袋を包む場合は、中袋と外袋に必要事項を書きます。

必ず包む前に必要事項を記入しておきましょう。

具体的には、以下のような情報を中袋と外袋に書きます。

  • 中袋:香典の金額、自分の住所・氏名
  • 外袋:表書き、名前

それぞれの書き方について、詳しく解説します。

中袋の書き方

中袋には、香典の金額、自分の住所・氏名を記載します。

中袋の氏名や住所の記載がないと、誰からの香典かが分からなくなってしまいます。

外袋にも名前を記載しますが、必ず外袋にも必要事項を書きましょう。

香典の金額

中袋の表面には、香典に包んだ金額を明記します。

金額は、中袋表面の中央部に縦書きで記載しましょう。

金額を書くときは常用漢字ではなく、「壱」や「参」といった旧字体を使います。

また、金額の前に「金」をつけて「金壱萬円」のように書くことがルールです。

ちなみに、香典は薄墨で書くことがルールですが、

中袋の場合は通常の墨でも問題ありません。

以下では、よく使う旧字体を紹介していますので、金額を書くときの参考にしてみてください。

3,000円金参仟円
5,000円金伍仟円
1万円金壱萬円
3万円金参萬円
5万円金伍萬円
10万円金拾萬円

自分の氏名と住所

中袋の裏面には、自分の住所と氏名を記載します。

自分の住所と氏名は、中袋の裏面の左下に縦書きで記載しましょう。

住所の記載は、郵便番号やマンション名なども省略せずに記載することがおすすめです。

ただし、会社や学校など、連名で香典を出す場合は、書き方のルールが異なります。

中袋がないときは?

香典袋によっては、中袋が付属していないケースがあります。

この場合は、外袋に直接お金を包むことになり、

香典の金額や住所を記入する場所がありません。

中袋のない香典袋を利用するときは、

香典袋に薄墨で直接必要事項を書きましょう。

香典は、表面に自分の名前を記載するため、

裏面に包んだ金額と住所のみを記載します。

香典袋の左下に縦書きで記載しましょう。

香典の外袋の書き方

香典の外袋には、表書きと自分の名前(連名の場合は該当する名前)を記載します。

香典の外袋を書くときは薄墨を使い、外袋の中心に縦書きで記載しましょう。

香典の表書きは、故人が信仰する宗教や宗派によって変わります。

一般的な表書きの分類は以下の通りです。

  • 仏式:御霊前、御仏前(御佛前)、御香典
  • 神式:御玉串料、御榊料
  • キリスト教:御花料

仏式の場合は、通夜や葬儀では御霊前(ごれいぜん)、

四十九日以降は御仏前(ごぶつぜん)を使います。

ただし浄土真宗の場合は、故人が亡くなるとすぐに

仏様になるという考えを持つことから、

四十九日の前後を問わずに御仏前(御佛前)を利用することがマナーです。

仏式の場合で、故人の宗派がわからないときは、「御香典」を使う方法もあります。

御香典書きは、すべての宗派に共通して使える表書きですので、覚えておくと便利です。

香典を連名で出す場合の書き方

学校や会社などで香典を出すときや、

家族で1つの香典を出す場合などは、

表書きに複数人の名前を連名で書くケースがあります。

この場合、香典をまとめる人数によって、表書きの書き方が変わります。

家族で香典をまとめるとき

香典は家族単位でまとめて準備することが一般的です。

家族で香典をまとめる場合は、世帯主の名前で香典を出します。

また、故人が夫婦のどちらとも親交が

あった場合は、夫婦での連名で出すこともあります。

夫婦の連名で香典を出す場合は、中央に1名分の

姓名を記載し、左側にもう1名の名前のみを記載しましょう。

夫婦の連名の場合は、両方に苗字を記載する必要はなく、

どちらか一方のみで問題ありません。

2~3人の連名で香典をまとめるとき

3名以下でまとめて香典をまとめるときは、全員の名前を香典に書きます。

会社の同僚などの連名で香典を出す場合は、

立場や役職が高い順番に、右から名前を記載しましょう。

連名する人の間に、役職や立場の差がない場合は、

五十音順で名前を記載することが一般的です。

4名以上の団体で香典をまとめるとき

4名以上で香典をまとめるときは、主に2つの方法で表書きを書きます。

  • 代表者の名前を中央に記載し、左側に「他〇名」もしくは「他一同」と記載する
  • 代表者の名前を記載せず「○○一同」と記載する

4名以上の団体で香典を出す場合は、誰が香典を

包んだのかがわかるように、連名した全員の名前と

住所を記した中紙を入れることがポイントです。

中紙は、香典の中袋に入れておきます。

連名で名前を記載する場合は、立場や役職の高い順に右から記載します。

香典を複数人でまとめるときに中袋の書き方

香典を連名で出す場合は、中袋の書き方も変わります。

基本的には表書きのルールと同じで、3名以下の場合は

連名する人全員分の氏名と住所を記載します。

4名以上の場合は、連名した全員の名前と住所を

記した中紙を入れて、誰が香典を出したのかがわかるようにしましょう。

連名の順番は立場や役職が高い順に右から並べ、

立場の差がない場合は五十音順に記載することが一般的です。

また、中袋や中紙に連名を記載する場合は、氏名の下に香典に包んだ金額を明記します。

香典を奉書紙で包む方法

奉書紙とは、古来より公文書などに利用されてきた高級な和紙です。

本来の香典は、奉書紙を使うことが正式な包み方とされています。

折り方は基本的に香典袋と一緒で、中袋を奉書紙の中心に置き、左開きになるように包みます。

奉書紙を使って香典を包むときは、紙の表裏に注意が必要です。

奉書紙の場合は、ツルツルしている面は表となり、ザラザラしている面が裏です。

ツルツルしている面が表になるように香典を包みましょう。

袱紗(ふくさ)には入れるべきか?

香典は、袱紗に包んで持っていくことがマナーです。

香典を直接カバンや礼服の内ポケットなどに

入れていると、型崩れや汚れがついてしまいます。

また、香典を渡す場合は、袱紗の上に乗せて両手で差し出します。

葬儀に参列する場合は、必ず袱紗を用意しておきましょう。

弔事の場合は、鼠や藍など寒色系の袱紗を使います。

紫色の袱紗は慶弔で兼用できるため、1つ用意しておくと便利です。

どうしても袱紗を用意できない場合は、寒色のハンカチで代用する方法もあります。

ただし、あまり良い印象ではないため、袱紗を用意した方が無難です。

正しく香典にお金の入れて弔意を伝えよう

今回は、香典に正しくお金を入れる方法について解説しました。

香典は、故人に哀悼の意を捧げるとともに、遺族を慰める意味合いを持ちます。

香典の包み方1つでも、遺族の負担にならないように、しっかりとマナーを守ることが重要です。

ぜひこの記事を参考に正しく香典を包んで、故人への弔意を伝えましょう。